『ネオリベ現代生活批判序説』

ネオリベ現代生活批判序説

ネオリベ現代生活批判序説

「1 労働/消費−入江公康氏に聞く」より

 最近では、「ニート」という言葉も出てきた。働いていない人、職業訓練も受けず求職活動もしていない人、あるいは「引きこもり」であるとか、場合によっては自宅から週のうち何日かアルバイトに出る人も含むのかもしれませんが、とにかくいろいろな線引きがなされて、それがさも社会の、国家の危機であるかのように、社会病理として語られるわけです。でもそういう微分していくような社会学的な問題設定の仕方は問題をややこしくしているだけだと考えることもできます。
 じっさいは労働問題ですよね。ニートや引きこもりというのも、たんに閉じこもる病理だとみなされてしまっていますが、むしろ、労働を拒否しているんだ、拒否の選択を行使しているんだ、というふうに考えてみるべきです。イタリアのアウトノミア運動みたいに。あるいは、ボッタくりボッタくられ、カモりカモられることを拒否しているんだというふうに。