購入(『マルチチュード』上・下)

マルチチュード 上 ~<帝国>時代の戦争と民主主義 (NHKブックス)

マルチチュード 上 ~<帝国>時代の戦争と民主主義 (NHKブックス)

マルチチュード 下 ~<帝国>時代の戦争と民主主義 (NHKブックス)

マルチチュード 下 ~<帝国>時代の戦争と民主主義 (NHKブックス)

帯に抜かれた「日本語版の序」から。

危機の時期は真の社会的変革の可能性を生み出しもする。……本書で私たちが論証を試みるのは、現存する主体性と社会的関係のネットワークにそうした変革を実現する可能性があるということだ。グローバル資本の構造や新しい労働形態について考察するさい、私たちはそれが今まで以上に非道な新たな種類の搾取をもたらすことを分析するだけでなく、新しい労働形態が新しい能力や知識の誕生を示唆し、生産の回路が(少なくとも潜勢的に)自律的な社会組織のネットワークともなりうることを明らかにする。……本書の分析が目指すのは、民主的なマルチチュードがいかに形成され、人びとが日常生活や労働活動においてすでにもっている能力と知識によって、それがいかに活気づけられるかを明らかにすることである。

NHK出版から出たのが意外な感も。
そういえば話がずれるけど、あのNHKへの不払い運動(というか傾向に留まっているけど)は最近では結構画期的な出来事なのではないだろうか。「まっすぐ、真剣」とかいうスローガンは読ませられる毎にムカつくのだけれど、視聴者=消費者の側から見ると「不払い」という手段がある種の意見表明になりうる、ということを消費者に気づかせてくれた気がする。この手段は、他の分野にも有効活用できるのではないか? フリーライドの問題も合わせつつ考える必要があるだろう。
この動きのヤバさを感じたNHKやその他の人々はこのような動きを違法化しようとしているようだが、サービスや体質に不満があることに対しての意見表出を抑え込もうとする人々の、どこが視聴者のことを考えているのかわからない。普通の企業であれば、あんなことあったら商品の売り上げが落ちるのは当然だろうに。まあ、NHKが「まっすぐ、真剣」なのは体質保持と利益追求についてということなんだろう。