入沢康夫『詩の構造についての覚え書』

詩の構造についての覚え書―ぼくの「詩作品入門」

詩の構造についての覚え書―ぼくの「詩作品入門」

2002年に復刊された本ですが、私が持っているのは1977年の増補改訂版。
詩を語ることを「不可能」とせず、その「不可能」の内実を考える際に要請されたのが「構造」という考え方なんですね。そしてその「構造」が「つねに破れ去るべきもの」となること、すなわち「積極的に選びとられた構造のめくるめく破れ」となることで、「不可能」は「転生」において巣くう(?)。そしてこの「転生」のダイナミックな変転が描かれることが「詩」の一つの条件なのかも…とか夢想しました。考えが未整理ですみませんが。
私の御託はともあれ、古いけれど未だ新しい本とはこのことかと思わされる名著だと思うので、言語表現に興味のある人はどなたでも読んでみると○でしょう。補遺の時間についての考察なんかも面白いです。