『ガダラの豚』より
隆心師は、この世の摩訶不思議、霊も化物も転生も、すべてを実在として容認している。ただし、飽くまで人間の魂を領土とする「実在」として。
もっとざっくばらんに言えば、隆心師にとっては、オカルティックなものが「非在」であれ「実在」であれ、「どうでもいい」ことなのだった。自分が認める認めない、客観的科学が認める認めない。そんなことは師にとっては「放っといたらよろしい」ことなのだ。宗教家としての師は、非在に対してであれ実在に対してであれ、自分が「功徳をあらわし」、それによって人が少しでも楽になれば十分なのだ。
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