パッチギ!

井筒和幸監督。「虎の門」で宣伝しまくってましたね。
http://www.pacchigi.com/
あらすじ等については上のページをごらんあれー。
感想。よかったですよ。中盤がケンカありすぎでなかだるみ感もあったけど、三本くらいのつかずはなれずで進行していた話(松山とキョンジャの恋愛+音楽/アンソンたちの川べりの復讐ゲンカ/桃子の出産)を、最後にこれでもかこれでもかとたたみかけながら怒濤のクライマックスへ。いわゆる物語的なカタルシスなんですが、難しいテーマもうまくさばかれていたと思います。
しかしこれだけ派手な集団対集団の抗争シーン見たのは久しぶりちゃうんかー。Vシネを全然みてないんでそこだと全然違うと思いますが、極道ものがあまり表だって宣伝されてないように思われる現在では新鮮に見えた血飛沫乱闘ドツきあいのオンパレード。集団の力というものが意図せずにあった時代を思わせる。
68年が舞台になっていて、やり場のないエネルギーに充ちた高校生たちも国際問題とかを普通に考えざるをえなかった時代というものが軸。当時の風俗がふんだんに取り入れられていて正直わからない部分もあったけど、小じゃれ化してなくていいですね。衣装(伊賀大介)もいいところついてる。
抗争シーンの多さはちょっとくどい気もしますが、御託並べるよりストレートに行ったるのがベストなんや的な発想と、そういうシーンの多用は結びついてそう。個人的には大友康平が「イムジン河」を松山(塩谷瞬)にラジオで歌わそうとして止められそうになったところを、「宇宙に歌っちゃいけない歌なんて存在しねーんだよ!」とタンカ切るところは素朴に感動しました。
オダギリジョーの演技もチョイ役にしては印象的だったけど、さらに成長が見込めそうな感じ。あと「こちトラ自腹じゃ!」の楊原京子のアシスタントぶりは見てて不安感たっぷりですが、映画では役になりきってて安心して見れる。沢尻エリカはわたしの周囲では大評判。彼女が川を渡って来た塩谷君に問いかけるシーンと、葬式の場面で塩谷君が「朝鮮についておまえは何を知っているのか」的なことを言われて帰らされた後に涙を流す演技にはグッときましたよ。あと個人的におすすめなのはやっぱりアンソン役の高岡蒼佑ではと思うよー。いい目つきだー。