購入(大西巨人『五里霧』・ウルフ『灯台へ』)

文章はカバーの宣伝文句より。

五里霧 (講談社文芸文庫)

五里霧 (講談社文芸文庫)

二・二六事件、戦争、召集、労働運動、差別、左翼文学、東欧民主化フェミニズムエイズ……。一九三一年から一九九二年までの、ある年ある月の出来事を手懸りに、当時の時代相を鋭く抉り、人間の生き方を問い直す十二の物語で構成された短編オムニバス「十二か月物語」。俗情との結託を排し、厳格で論理的な文体により、時代の流れと生の意味の根源へと遡行する意欲作。

灯台へ (岩波文庫)

灯台へ (岩波文庫)

スコットランドの孤島の別荘。哲学者ラムジー氏の妻と末息子は、闇夜に神秘的に明滅する灯台への旅を夢に描き、若い女性画家はそんな母子の姿をキャンバスに捉えようとするのだが――第一次大戦を背景に、微妙な意識の交錯と澄明なリリシズムを湛えた文体によって繊細に織り上げられた、去りゆく時代への清冽なレクイエム。