『デリダ、脱構築を語る』より

p.138。

人々はしばしば、どんな人間に対しても無条件に歓待的でなければならないとは考えますが、動物、植物などに対しては必ずしもそうしなくてよいと考えます。これは問題です。私たちは、私たちを訪ねてくる動物たちに対しても歓待を提供すべきでしょうか? 予期せざる生き物たちに対しても−−私の猫だけでなく、私の隣人の猫(笑い)に対しても、そして、見たこともない猫に対しても? 見知らぬ猫が来たときにあなたが扉を閉じて、それで良心がとがめないのであれば、そう、それはあなたの問題です、私はそうではありません。納得されましたか? もちろん、もし来たのがライオンならば(笑い)……、私はただ問題があると指摘しているにすぎません、よろしいでしょうか?

デリダ、脱構築を語る シドニー・セミナーの記録

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