技術論あれこれ

ハイデガーの技術論

ハイデガーの技術論

ハイデガーの技術論をわたしのような素人が考えるのに適切な本ってないんだなあ……って思ってたら、まさにそういう本がないぞーと鼻息荒くはじまる書き出しのこの本を棚に見つけて思わず買ってしまう。Ge-Stellの含意についても詳しく説明あり。技術、テクノロジーの問題に関する哲学的議論に興味がある人は、一読の価値ありなのでは。目次は以下。

1 技術は人間を引っ立て、現実のものを取り立てて発掘するように仕向ける
2 「転回」でハイデガーはどのような歴史意識を伝えようとしたか
3 技術と国家―ハイデガー技術論の射程
4 ゲ・シュテル(Ge‐Stell)の訳語について
5 ハイデガーの技術論と柳宗悦の民芸論
6 ハイデガー「技術論」の理論的問題点

ハイデガーの未邦訳のテキストの翻訳も入ってます。

存在論的メディア論―ハイデガーとヴィリリオ

存在論的メディア論―ハイデガーとヴィリリオ

あとこれ↑も大型書店だと平積みされてますね。目次はこんな感じ。

序論
技術と主体化
ハイデガーヴィリリオ
主体概念の呪縛
第一章 現象学的還元からメディア利用者の〈不安〉へ
導入 仮想人間  仮想現実と現象学的還元
1 〈後ずさり〉
2 メディア現象学
3 〈現存在〉とその〈存在論的〉〈不安〉
4 〈主体〉から〈現存在〉へ
第二章 〈現存在〉としてのメディア利用者、〈頽落〉の引力としての〈不活性〉
1〈現存在〉としてのメディア利用者
2 メディア技術のポテンシャルの人間化から脱人間化へ
3〈現-存在〉から〈速度-存在〉へ、あるいは〈速度-存在〉の〈頽落〉
第三章 〈表象〉の近代から〈現前〉の現代へ
1〈表象すること〉とギリシア
2〈対象〉と〈モノ〉
3 表象的ではないものとしてのメディア技術
4〈対象〉としてのまなざしの〈現前〉
5 身体残像、あるいは残像身体
第四章 存在の露現としての〈立て組み〉
《存在》と技術
《存在》と《性起》
〈立て-組み〉
〈立て組み〉と〈ロジスティックス〉
自動機械
別の原初
最後に

著者は若干30歳らしいです。こちらはわたしは未購入。「〈立て組み〉と〈ロジスティクス〉」という章は上の本とも重なるのでは。