ハナレグミinTR

昨晩、NHK教育で「トップランナー」再放送。ハナレグミ永積タカシ登場。

帰ってから、歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。

帰ってから、歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。

日々のあわ

日々のあわ

トップランナー http://www.nhk.or.jp/tr/
ハナレグミ http://www.five-d.co.jp/hanare/pc/index.html
永積タカシいいですね。一緒にみていた弟曰く、「人柄がこんなに歌になっている人はいないでしょ〜」とのこと。たしかにそんな感じ。
わたしはナマ永積は去年暮れのJ-WAVE主催のライブ*1ではじめて聞いたんですが、その時の会場の雰囲気をなんと伝えればいいか。ザ・バックホーンの若い汁溢れまくるアクトの後で、ひょろっとアコギ一本で出てきた姿はかなり頼りない(しかも会場のミスで登場BGMが流れなかった)。けど、近所のあんちゃんみたいな感じで話しだすと会場がふわっと暖かい雰囲気にすぐ変化。ちょっと舌足らずだけど伸びのある、でも少しかすれてるところがどこか色っぽくて透明感のある声でざっくばらんに歌いはじめた時は、完全に会場の空気をもっていってました。何曲か終わってステージから立ち去った後で、あまりのアクトのよさに会場がどよめいていたのが印象的。
番組のなかでは、スーパーバタードッグの解散について触れられていた時の話が興味深かったです。実際、わたしも永積が「サヨナラCOLOR」を出した時は、「え? あのバター犬の人がこういうの作るの?」というかなり意外な印象を持ったことを覚えている。永積によると、バター犬の活動がある程度軌道に乗ってきたんだけど、そこでやっていくことをそのまま続けていると、自分自身が楽しんでつくれる音楽じゃないところで作曲をしていってしまう、ということに対する恐怖が押さえきれなくなっていたらしい。自分の好きなことで生きていこうと思っていたのに、その根本の部分を自分で面白く思わなくなってしまったら、なんのために人に音楽を聴かせる活動をしているのかわからなくなってしまう、と。それと、解散したいという自分の考えをメンバーに伝える歌でもあったから、非常に怖かったというようなことを言っていた。
そう、好きなことで生きていこうと思ったら、やっぱり妥協ってできないんですよね。もし好きなものについてそこで妥協してしまったら、それは自分の大切にしているものを最もダメにしてしまうということになってしまうから。永積は「『サヨナラCOLOR』は自分の私的なことだけを歌ったのに、こんなに多くの人に支持されて意外だったし自信になった」というようなことを言っていました。でもそれはきっと、永積自身が大事にしたいことを人に伝えようという気持ちが、歌のなかでしっかり表現されていたからだったのではないでしょうか。別に音楽に限らずとも、「でも、それでいいの? 楽がしたいだけなの?」というのは、生きているなかでは必ず突き当たる問いかけのはずですし。そしてそういう問いが生まれる時って大体、答えは自分のなかで既にはっきりしている場合が多かったりする。問題は、それを直視して行動に移せるかどうか、ということなんですよね〜。「サヨナラCOLOR」は、そういったことについて飾らずに歌ったことが、聴く人の心を打ったのではないかと思うんですが。
しかし最後に、本上まなみを歌ってそのタイトルに「まなみはエッフェル塔」をつけた時は、スーパーバタードッグ時代のひねりを感じましたが(笑)。でもバター犬の歌詞も皮肉っぽくはなくてユーモラスでしたね。ユーモアは大事ですよね〜。

*1:矢沢永吉が冒頭で飛び入り参加してて、会場に遅れて着いたわたしは一瞬会場を間違えたかと思った。そして会場でわたしは竹中直人も目撃していた。でも映画はどうなんでしょうかね……。