身体なき器官
- 作者: スラヴォイ・ジジェク,長原豊
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2004/09/18
- メディア: 単行本
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じつのところ、ジジェクはそれほど読んでいない。でも、だからかもしれないけど、よく指摘される「ああ、いつもの現実界ばなしね」的なものは、この本の場合わたしは特に気にならなかった。むしろ前半部のドゥルーズ読解は、特に『意味の論理学』に対峙したものとしては意外にちゃんとしているんじゃないでしょうか? 「反―実現」などの規定についても説明がなされているし。他に『意味の論理学』をちゃんと取りあげた本をわたしが知らないからなのかもしれないけど*1。
問題としては「出来事」を対象aと同一視することができるかということが争点となりそうな気がするんですが、どうなんですかねー、違う気がするんですけど。あと「ドゥルーズはガタリと組みさえしなければよかったのだ〜」的語りも、ジジェク自身そういう突っ込みは承知の上での「おかま掘り」なんでしょうが、やっぱり大きな疑問。っていうかむしろ「出来事」が遂行的に「対象a」的なマジカル・タームへと還元されてしまうことに危機感を持って、ドゥルーズがガタリという臨床的パートナーを見つけたと考える方がいまだ意義が大きい気がしますけど*2。そこはラカンの肩を持つジジェクの態度の問題ということなんでしょうか。
思想関係に関しては断続的に考えていきたいかなと思ってますので、未熟ですがどうか見守ってやっていただけると。今日はここまでで。