災害と映像

今日で阪神淡路大震災からもう10年なんですね。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/hanshin_awaji_earthquake/?1105913327
わたしは数年前旅行した際に神戸を訪れたんですが、もう表面上は震災のことを思い出させるような面影は街には残っていなかった。でも実際のところは、ちょっと見ただけでは感じ取れないような形として、あの出来事の残響は至る所に影を落としているのでしょう。被災者の方々はいまだにそのことに苦しめられている。中越地震もそうですが……。
あの震災時にされていた報道は衝撃でした。はじめは関西で規模の大きな地震が起きた程度の印象しか持っていなかったのが、ニュースで伝えられる死者数が時間を追うにつれてどんどんと増えていき、6000人を超える規模になった時には、ニュースからのショックを生まれてはじめて受けました。震源地から遠い所に住んでいて知り合いも関西にいなかったわたしにとっては、数字の増加が止まらないことが、まさに恐怖と呼ぶのにふさわしいものでした。そしてその後で伝えられた、高速道路が横倒しになっている映像。あの根本から砕け散り鉄骨を剥き出しにして横たわるかつて道路だったものは、なんだったのだろう。
先日のスマトラ沖地震の映像は、被害地に巨大な観光地があったため、ハンディカメラで観光客が撮影していた映像が多く流出していますね。その結果、津波が物品を濁流に押し流してゆく衝撃的な映像がニュースで流れたりする。地球上で、ボンベイの伝説の被害を軽く上回ってしまうような災厄が実際に頻繁に起きていて、なにがしかの形で目撃されており、それがすぐさまに配信可能になり伝達されてゆく。災害の悲惨さとともにまた、このことについてもなんなのだろうと考えてゆかざるをえません。
改めて、災害で亡くなったすべての方々への追悼の意を表します。