阿部和重と角田光代

今度の芥川賞直木賞阿部和重さんと角田光代さんに決まりましたねー。
http://www.asahi.com/culture/update/0113/005.html
キャリアのある人たちが今回は選ばれましたね。二人とも批評的なものとの結びつきを持っていて、そこからの評価は前々から高かった人たちですけど。
今回はじめて知ったんですが、二人は年齢がほぼ一緒(36と37歳)だったんですね。最近80年代論は割と取りざたされますけど、この二人がそこに対しての批判的な視点をポイントにした小説をかなり以前から書いていたことも共通している気が。経済的な「大いなる幻影」の覚めた後の現実を美化するでもなく、かといって淡々と日常を描くとかそういう枯れた感じとも違く。やり場のない憤りなどの感情のようなものが関係性や地域構造においてどのようにして発生してしまうかをほのめかしつつ、文章的には割とシンプルに描いていくという点で似てる……かな? いずれにせよ、今回の賞は骨組のしっかりした人たちを選んだという印象です。
阿部さんの小説は受賞作の「グランド・フィナーレ」以外は一応大体読んでるので、「グランド」も読んだ上で、機が熟したらそのうち何か感想でもここに書いてみようかなと思います。上にごたごた書いた割に実は角田さんの本を数冊しか読んでいないのだけれど(すみません)、これを機に読もうっと。そう、でも『エコノミカル・パレス』は面白かったですよ〜。

アメリカの夜 (講談社文庫)

アメリカの夜 (講談社文庫)

シンセミア(上)

シンセミア(上)

シンセミア(下)

シンセミア(下)

対岸の彼女

対岸の彼女

エコノミカル・パレス

エコノミカル・パレス