「夏目家の食卓」

今日1月5日は夏目漱石の誕生日ということで、筒井ともみ脚本・久世光彦演出による2時間ドラマ「夏目家の食卓」がやってたんで見てみた。
http://www.tbs.co.jp/program/suipre_20050105.html
ちなみにどうでもいいですが、同じく1月5日生まれなのは三木清玉置宏沢村忠宮崎駿長谷川和彦渡辺えり子片山恭一黒田硫黄元ちとせなんて感じ。ウンベルト・エーコと宣保愛子が1932年1月5日と同日生まれなのは……(笑*1
http://www.d4.dion.ne.jp/~warapon/data00/birth-0105.htm
ドラマ全部は見てなかったんであまり網羅した事は言えないけど、感想など。
う〜ん、今ひとつというかふたつくらい空回りだった気がするな〜。宮沢りえ演じる夏目鏡子漱石の妻)の視点から描いた漱石本木雅弘)像、というのはわかるし、「文豪漱石」というイメージを逆手に取るような意図は作品からまあ感じられたのだが……漱石の諸著作に結構馴染んでないと話についてけませんよ〜。漱石のパロディ化をねらうんなら、もっと徹底してリファレンスがわからなくても笑えるくらいにやらないとダメなんじゃない? 特に若者には漱石萌えでもないとついてけないでしょう(たまにそういう人はいますが)。役者面子的には魅力的なのにもったいない。漱石イメージがしっかりあるだろう主に年輩の人たちはどう見たんでしょうかね。宮沢りえ&モックンが「伊右衛門」のCMそのままのコンビだったり、岸部一徳迷亭)がFMVのCMよろしく増殖するのもアイデアとしては面白いし買いたいところなんだけど、なんつーかブツ切りにつなげられてたような気がして軽妙さに欠け、やっぱり残念。あと、漱石の(博士号辞退等の)政府嫌いを、「明治ホームドラマ」という形で語ることがどこまで有効なのかという点も疑問。漱石の態度ってホームドラマ的小市民性とはちょっと相容れないのでは……? 夏目鏡子の本を原作としてるんでそうなるのかもしれないんだけど、むしろ彼は時代的にはイギリスに範をとるような市民性を念頭に置いていた気がするよ。
まあ、漱石の家庭といえばいきおい『道草』〜『明暗』的な流れになるところを、『吾輩は猫である』を中心にした点は買いたいかな。あとモックンの漱石ははまってたと思うんだけど芥川役の人(豊原功補)は明らかにゴツすぎ。それから四谷シモンってどこに出てたんじゃ〜い! 気づけなかったよー。

*1:追記:マリリン・マンソンも1月5日だった。