ドゥルーズ/ガタリ『政治と精神分析』より

政治と精神分析 (叢書・ウニベルシタス)

政治と精神分析 (叢書・ウニベルシタス)

ジル・ドゥルーズ精神分析に関する四つの提言」から。

無意識というのはつくり出し、設置し、流れさせるべき実体であり、戦いとらねばならない社会的・政治的空間なのです。革命とは途轍もない無意識の生産であり、他にあまり類例のないものです。そしてそれは言い間違いや失錯行為とは何の関係もない。無意識は意識のなかにあとつぎを生産するような主体ではなくて、それは生産の対象なのです。つまり無意識の方が生産されねばならないのです。ただしその生産活動は妨害されてはなりません。あるいはむしろこう言った方がいいかもしれない。すなわち欲望には主体もなければ対象もないのだと。ただ流れというものだけが欲望自体の客観性なのです。欲望は決して十分に存在することはない。欲望は非−意味形成的な記号のシステムであり、これらの記号を起点として歴史的な社会野のなかに無意識の流れがつくりだされるのです。少人数の家族や、街のそこここにある学校など、どんな場所であれ、機構をゆすぶり、社会野を問題に付さないような欲望の開花はありえない。欲望はつねにより多くの連結をもとめるからこそ革命的なのです。