『歴史哲学』

三木清『歴史哲学』読書中。

三木清全集 (第6巻)

三木清全集 (第6巻)

久野収執筆の「後記」より。

『歴史哲学』は、著者[三木]の最初の体系的著作であり、当時、著者を中心として企画をすすめられた岩波書店発行『続哲学叢書』の一冊として、昭和七年四月に出版された。[中略]
 著者の思想活動は、思想の創作者的活動だけにかぎられるのではなく、思想の企画者的活動において、じつに大きな特色を発揮している。この特色で著者と肩をならべる思想家は、昭和期以後では、たぶん、だれもいない。わずかに戸坂潤が『唯物論研究』や『唯物論全書』その他の企画と編集を通じ、中井正一が『世界文化』や『土曜日』の企画と指導を通じて、著者につづいているにすぎない。多くの書物や評論の著者、三木清の意味が把握され、評価されると同時に、多くの講座、叢書の企画編集者、三木清の意味が把握され、評価されなければならない。その理由は、この側面の思想的意味がほとんど無視される習慣がいまも支配されているからである。

なるほど。
しかし昔、古本屋で『三木清全集』が全19巻でなんと9000円で売ってたという話を、一人ならず二人から聞いたことがありますよ。そりゃ買いだろ……っていうか、どうしてそこまでの値がついてたの?