幕張にて

晦日CDJ行ってきました! ちなみに、選んだアクトは次の順。
くるり東京スカパラダイスオーケストラつじあやの忌野清志郎&NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS→(KREVA)→(syrup16g)→曽我部恵一*1
われながら王道を選んでしまったなあ〜。グループ魂とかも見ときたかったけど、まあいいや。演奏技術とかルーツとか込みいったことはわからないので、感想をさらっと書いてみまーす。
くるりは一曲目には残念ながら間に合わなかったんですが、相変わらずしっかりとした演奏でよかったー。ドラムの音がパキパキしすぎかな感もあったが、それでも終った際にはこれでもう今日の目的は達したと感じたよ。しかしスカパラのすばらしく骨太な演奏でノンストップに踊り狂い、ゼェハアと頭頂部から変な汁を出しつつじあやのへ。意外に声量があることに少し驚く(あたり前か)。でもあまりにもすぐ終わってしまいちょっとものたりなかった。まあ、彼女としては余白を残した方が「年の暮れ」にふさわしいと思ったのかも。キヨシローはマントを翻しただけで盛り上がるキングぶりに、思わず日本にキングはキヨシローだけでいい!と思いますたね〜。ちなみに今年わたしがはじめて口をきいたのはカウントダウン直後隣りにいた知らないねえちゃんとの賀正の挨拶でした。その後しばらくDJブースへ。ポリシックスハヤシは90年代ポップス全開で、ベタでもいいよね的な音楽をかけて激烈に盛り上がってたなあ(ミスチルとかも流してた)。クレバもsyrup16gも、好みのジャンルというわけではないんだけど結構よかった気がするよ。
しかし、気になったのはやはり曽我部。実は、わたしは昔サニーデイは別に好きじゃなかった。なんでかというと、なんとなく「(下北あたりに)生きる僕たち」的な閉じた雰囲気を感じてしまって、イマイチのれなかったんですね(偏見でしょうが)。しかし、解散後はや数年。数人の友人から、今年の曽我部はすごいらしいと聞いていた。CDも試聴してみると、確かに前のよりはるかに疾走感が好ましい感じ。……そして昨日。はじめてライブ見ましたが、期待を裏切らぬアクトっぷりでしたねー。
何がすごいかっていえば、ほとんど異常なほどのラブ&ピース感、そして演奏のふっきれ方。伸びのある声でアコギ一本を使って弾き語り、しきりに(というかほとんど無理矢理のように)コール&レスポンスを求める様からは、最早「好きなことしかしない」という開き直りの持つ力を感じました。サニーデイの頃からは、良きにつけ悪しきにつけ確実にそれまでの限界を一歩踏み出してるねこれは。そしてオバQを彷彿とさせるなんともいえない笑顔。いやあ〜、こりゃ誰かまわりで支えてあげないと!
http://www.sokabekeiichi.com/

話は少し振れますが、ロッキン・オンが推す音楽って、だいたいベースにリリシズムがある気がします。あのとき感じた感情の純粋さだけは大事にしたい、というような。そして曽我部の今の状態って、一人一人との具体的な関係性において生まれるそういう気持ちや、子供のころに感じたことを忘れずに大切にしていけば、マクロな政治的問題に関しても大事なメッセージになるんじゃないか……というところにあるんじゃないかという感じがする。彼の異様なまでの発言のストレートっぷりや、ギター一本でやっちゃうよ的な態度はこの傾向に沿ってるんじゃないかと思うし、ツアー名につけてる「無政府主義」というのも、そういったところから来てるんじゃないかなあ。DJの時にも選曲がビートルズとかジャクソンファイブとか超スタンダード・ナンバーばかりかけていたんですが、これも、極端にストレートにしていけば結局それに勝るものはないという発想かもしれない。こういう傾向って、地に足のついた生活にともなう感情をうたっていくとそういう感じが出てくるんでしょうかね(ぶっとんだことも言ってましたが)。時代的な流れもある気がします。オザケン『LIFE』を先駆とした流れが引き継がれて、極端化されてきた感じがするんですがどうなんでしょうか。またちょっと違いますが中村一義なんかもメッセージにストレートな強さがありますよね。ある程度ひねりが飽和に達して閉塞してくると、やっぱりリスナー側にもストレートなメッセージを必要とする動きが起こってくるのかな。
わたし自身は、そういった傾向にそのまま賛同することはできないんですが、かといって彼らを冷笑するという態度は終わっていると思います。やっぱり、そういった動きも世界的ないろいろな問題のなかから生まれてきたものだと思うし、その意味で若手世代が突き当たっている状況がヴィヴィッドに見られるのが、ポピュラーミュージックの世界であるような気もするのです。彼らは演奏して発信していくことに自分の人生を賭けているし、そこで戦っている。そういった意味でも、アーティストたちの動向は他人事ではなく見守っていきたいな〜、と思いますね。この点でわたしが一番注目しているのはくるりなんですが、それについてはまた。
http://www.quruli.net/

*1:カッコにくくったアーティストは途中からなんとなく見てた感じ。サンボマスター見たかったんですけど、キヨシローをカウントダウンまでみてから移動しようと思ってたら結局最後までいてしまい見れず。