イタロ・カルヴィーノと荒川修作
ひところカルヴィーノにはまっていた。その入口は『冬の夜ひとりの旅人が』で、開けても開けても次がある館のドアをくぐっていくような感覚で読んでいくうちに、いつのまにか迷路に入り込んでいた感じ、と言えばよいでしょうか。
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- 作者: カルヴィーノ,Italo Calvino,和田忠彦
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- 作者: カルヴィーノ,和田忠彦
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- 作者: イタロカルヴィーノ,Italo Calvino,脇功
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- 作者: イタロカルヴィーノ,Italo Calvino,米川良夫
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- 作者: イタロ・カルヴィーノ,米川良夫
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わたしとしてはカルヴィーノのエピソードとしては、荒川修作と仲がよかったというのが興味深く、毀誉褒貶はげしい「養老天命反転地」と『木のぼり男爵』は発想としては少し似ているものがあるんじゃないかと勘ぐっています(『木のぼり男爵』は子供の頃木にのぼって一生下りてこなかった人の話)。要するにそれは、「生得的」な環境を抜け出たところでも人は生きていけるし、むしろ生存の条件と見なされているものを積極的に「反転」させることが新たな「生命」の創出へとつながる、という発想なのではないかと思うんですね。ただし荒川の押しの強さとでも言うべきものに対し、カルヴィーノは非常に柔和な態度を取り続けていた(それほど強いことは言わない)と言えるでしょう。カルヴィーノの小説の実験性は、読者に読む体験を意識化させ、物語を読みながらもそこには「別の可能性」がつねにありうることを想起させるものだったのではないかと思いますが(『見えない都市』など)、「読む」体験だけではなく「生活」全てにそれを演繹しようとすると、荒川的なものが出てくるのかもしれません*2。
- 作者: 荒川修作,マドリンギンズ,Madeline Gins,河本英夫
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そういえば、ニーチェは、生は認識の実験であると言ったんでしたっけ。